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2020年5月

外出自粛生活を乗り越えるために(からだの健康編)

前回のウエルネスレポートでは外出自粛生活における「メンタルヘルス(こころの健康)」についてお伝えしましたが、今回は「からだの健康」についてお伝えしたいと思います。
 

外出自粛生活に伴う、身体活動量低下の影響

外出の自粛が行われる以前は、通勤やオフィス内での移動、食事のための外出など、「歩く」機会がそれなりにあったと思います。しかし外出自粛生活では、「原則家で過ごすこと」が求められますので、外出の機会が大きく減り、身体活動量も低下している方が多いのではないでしょうか。

身体活動量の低下は、筋力低下・体重増加をもたらし、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクを高める可能性があります。外出の制限が長く続けば続くほど体力も低下する可能性があり、外出自粛が解かれた際に「通勤するだけでも疲れる」という状態にもなりかねません。このため活動量を少しでもUPしていくことが大切です。
 

身体活動量を高める生活のポイント

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身体活動量は、少し意識するだけでもUPすることができます。活動量をUPする方法をいくつかご紹介しますので、出来そうなことから始めてみてください。
 

通勤をしていた時間帯にウォーキングに出かけましょう

朝と夕、いつもなら通勤のため歩いている方が多いと思います。10~30分程度で良いので、その時間帯にウォーキングに出かけるのはいかがでしょうか?人通りが少ない場所(他の人との距離が2m以上確保できる場所)を選び歩くことは、外出自粛の中でも問題はないと思われます。

なお、生活習慣病予防のためには、ゆっくり歩行よりも、できれば早歩きがおすすめです。(少し息が弾むくらいのペース)朝のウォーキングでは朝の光を浴びることができ、体内時計のリズム合わせにも効果的です。夕方のウォーキングは、夜の睡眠の質を高める効果も期待できます。
 

「座りっぱなし」にならないよう、こまめに動くようにしましょう

今、「座りっぱなし」の健康への悪影響が分かってきています。在宅勤務中でも30分に一度位を目安に、「座位の中断」を意識いただくと良いでしょう。立ち上がって軽くストレッチ・筋トレをしてみたり、お茶を飲む際は別室に行く、その場で足踏みするなど、椅子から立ち上がる時間を作ると良いでしょう。

またラジオ体操もお勧めです。ラジオ体操は早歩きと同じくらいの運動強度がある有酸素運動です。ストレッチの要素も含まれる運動ですので、デスクワークによるからだの凝りの緩和が期待できます。所要時間はラジオ体操第一・第二共に所要時間は3分程度ですので、短時間で実施可能です。
 

週に2回以上の筋肉トレーニングも取り入れましょう

活動量が減ることで、気が付かないうちに筋肉量も減ってしまいます。筋力低下は基礎代謝の低下にもつながります。このため筋肉トレーニングも生活に取り入れて頂くことがお勧めです。

筋肉量は週2回以上の実施で増加し、実施量・頻度が増すごとにその運動効果も高まるそうです。ただ筋トレは継続が難しいので、実施する曜日やタイミング(入浴の前に実施するなど)を決めて習慣的に実施いただくと良いでしょう。

体の中でも特に大きな筋肉のある「太もも周辺」を鍛える「スクワット」がお勧めです。「10回を1セットで3セット」位から始め、少しずつセット数や筋トレの種類を増やしながら行うと無理なく続けることができると思います。

なお、効果的に筋力UPを目指す場合、夜の時間帯に実施いただくとよいと言われています。
 

空き時間には家事を積極的に行いましょう

いつもは忙しく手を付けられなかった部分の掃除など、在宅時間の長い今の時期に行ってみてはいかがでしょうか?

風呂掃除や掃除機かけ、床や窓の拭き掃除、庭やベランダの掃除など、座ったり寝転んでテレビを見ているときと比べ2倍以上の運動強度があり、立派な身体活動になりますのでお勧めです。
 

食生活にもご注意を

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在宅中心の生活では、生活のリズムが変わり、食事のリズムも普段と変わっているかもしれません。普段と生活時間帯は変わっているかもしれませんが、極力3食規則正しく食事をとるようにしていただくことが大切です。

特に朝食抜きは、肥満や生活習慣病のリスクを上昇させますので、軽くても良いのでとるようにしましょう。遅い夕食もやはり肥満・生活習慣病のリスクを高めますので、可能であれば夜8時前くらいには済ませるようにすると良いでしょう。

また、間食が増えてはいないでしょうか?間食は日中の時間帯、息抜きのため、決めた量を少量摂るのであればよいと思いますが、一日中家で過ごしていると、ついダラダラと食べ続けてしまったりすることもあるかもしれません。このような間食の取り方は、エネルギー摂取量が増え体重増加につながりますのでご注意いただくと良いでしょう。

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子
 

外出自粛生活を乗り越えるために(メンタルヘルス編)

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、全国を対象に緊急事態宣言が出され、外出を自粛し「人との接触を8割、最低でも7割減らすこと」が強く求められています。

このような状況の中で、お仕事でも在宅勤務・自宅待機となられている方も多くいらっしゃると思います。またレジャーやショッピングなどの気晴らしの外出も難しく、感染症が流行する前とは、生活のスタイルが大きく異なる毎日が続いています。

感染症終息の見通しがつかない中、長期化する可能性があるこの自粛生活は、「コロナうつ」などという言葉が聞かれるように、メンタルへルスへの影響が懸念されていますし、外出の自粛による身体活動量の低下など、私たちの身体の状態にも影響を及ぼすと考えられます。

今回のウエルネスレポートでは、外出自粛生活における「こころの健康(メンタルヘルス)」についてお伝えします。(次号で「からだの健康」についてお伝えする予定です)
 

外出自粛のメンタルヘルスへの影響とは?

仕事環境や生活スタイルの変化は、ホルモン分泌や睡眠リズムなど、私たちの生体リズムをつかさどる「体内時計」のリズムの変調を引き起こす可能性があります。

また、人と会話や会食、趣味の外出といった「ストレスの解消」も難しい状況になっています。先行きが見通せない状況下で、ウイルス感染に対する不安や、思うように仕事ができないことへの不安感などを抱えている方も多くいらっしゃることと思いますが、不安感が強い中で、体内時計のリズムが崩れ、ストレス解消の手段がない状態が続くと、不眠や食欲の低下、不安感や意欲の低下などのメンタルヘルス不調を引き起こす可能性があります。
 

メンタルヘルスの健康を保つために

日本うつ病学会はホームページ上に、日常生活を規則的に送るための医学的根拠に基づいた自己管理術として、「新型コロナウイルス感染症の世界的大流下における、こころの健康維持のコツ」を掲載しています。

この中で、規則正しい生活を送り体内時計のリズムを整えること、そして外出できない状態であっても人とのコミュニケーションを持つことがポイントとして書かれています。以下に少し簡単にまとめた形でご紹介させていただきます。
 

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  1. 自宅待機や在宅勤務であっても、自分自身で毎日決まって行う日課を設定しましょう。
  2. 在宅での仕事や学習、友人との電話、料理など、日々の活動は毎日、同じ時間に行いましょう。
  3. 毎日一定時間は屋外で過ごすようにしましょう。(密閉・密集・密接 の 3 密の状況を避けた形で)体内時計の時計合わせのためには朝の光が欠かせないため、午前中早い時間帯の外出が望ましいでしょう。
  4. 外出できない場合は、少なくとも2 時間は窓際で過ごし、日の光を浴びながら、心の落ち着ける時間を持ちましょう。
  5. 毎日、なるべく決まった時間に運動をしましょう。
  6. 毎日、同じ時間に食事をしましょう。食欲がない場合は少量で良いので、口にしましょう。       
  7. 日中の昼寝(特に、午後遅くの昼寝は)は避けましょう。昼寝をする場合は30分以内に。
  8. 夜間に明るい光、特にスマートフォンやパソコンディスプレイによるブルーライトを浴びるのは避けましょう。
  9. ブルーライトは、睡眠に不可欠なホルモンの分泌を妨げます。
  10. 自分自身に合った起床と就寝の時間を決め、一貫してその睡眠リズムを保つようにしましょう。
  11. もし、あなたが夜型ならば、たとえ家族の人より少し遅く 寝て、少し早く起きることになったとしても大丈夫です。
  12. 毎日、同じ時間に床 につき、同じ時間に起きることがポイントです。
  13. 人との交流は、たとえ社会的距離確保の期間中であっても大切です。テレビ電話か音声通話かはどちらでも結構ですので、可能そうな方とコミュニケーションの機会を持つようにしましょう。すぐに相手が思いつかなくとも、誰かいなかったかを思い出してみましょう。
    LINE のような文章だけの会話であっても、リアルタイムにメッセージが行き交うものであれば大丈夫です。そして、毎日、 同じ時刻にそういった相手とコミュニケーションするスケジュールを持ちましょう。

(全文は日本うつ病学会HP(https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/)に掲載されています。)

すべて実践することに負担感がある場合は、出来ることをまずは実践いただくとよいと思います。
規則正しい生活を送ることで、外出自粛が解かれた時にもスムーズに元の生活に戻ることも可能になると思います。
 

メンタルヘルスの不調を感じたら専門家へ相談しましょう

規則正しい生活などセルフケアに努めていても、不眠や強い不安感、意欲の低下などのメンタルヘルス不調が継続するような場合は、専門家や産業医に相談しましょう。

社内産業保健スタッフへメールなどでご相談いただくことができると思います。ご加入の健康保険組合や社外EAPでもメンタルヘルスの相談を受けている場合があります。また、かかりつけ医やお近くの心療内科へご相談いただいても良いでしょう。

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子