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オフィス職場における職場巡視

職場巡視というと、工場や有害物質を扱う職場をイメージする方が多いと思いますが、
オフィス職場であっても産業医や衛生管理者による職場巡視が必要です。
オフィス職場の職場巡視をする際に確認する事が望ましいポイントをご紹介します。
 

1.過重労働や健康状態の確認

産業医が職場に出向く機会は少ないのではないでしょうか。だからこそ、職場巡視で出向いた際には
職場の管理者や従業員から過重労働等を含む業務の状況や季節的な疾患を含む健康状態の確認等を
直接確認する良い機会となります。

巡視時には、職場ごとの過重労働の情報や感染症情報等の事前情報があると効果的です。
 

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2.VDT(Visual Display Terminals)作業状況の確認

オフィス職場の多くでPC作業が行われていると思います。VDT作業の作業環境管理の状況(作業者の
姿勢や、配置、明るさ等)確認や、健康障害の予防するために取り組んでいる、または注意喚起されて
いる事を確認し、産業医からアドバイスをもらいましょう。

 

3.温度や湿度、照度等の確認

実際にオフィスに入ることで、温度や湿度は適切か、空気の流れに問題はないか等、職場環境が快適
かを確認しましょう。温度計や湿度計の設置場所が適切かの確認も大切です。

また、事務所則に基づいて2か月毎に測定されている結果も、職場巡視に合わせて確認しましょう。
 

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4.災害対策

万が一の地震や、火災に備えた対策がされているかの確認は重要です。避難経路の確保や表示、地震
対策として設置物が固定されているかの確認、災害時に必要な物品が揃っているかの確認等を定期的
に行いましょう。

 

5.喫煙対策

職場内での分煙、受動喫煙防止対策がきちんと行われているかを確認しましょう。実際に巡視する
ことで、匂いの漏れがないか、喫煙室の管理に問題はないか等定期的に状況を確認して行くことが
大切です。

株式会社メディエイト 保健師 新井 望

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株式会社MEDIATEは、産業医紹介事業の経験から、様々な企業の抱える問題にメスを入れることができます。スポット依頼をはじめ、柔軟な対応で企業の健康を守ります。
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逆流性食道炎

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逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは、胃酸が胃から食道に逆戻りする事により食道部分に炎症が起こる病気です。胃液は強い酸性のため、食道に逆流すると食道の粘膜を刺激して食道の粘膜がただれたり、潰瘍ができたりします。

主な症状としては、胸やけや呑酸(すっぱい、苦いゲップ)等です。
主な原因としては、食道と胃のつなぎめにあたる下部食道括約筋の筋肉の弛みと、胃酸の増えすぎです。

通常は下部食道括約筋が胃酸の逆流を防いでいますが、この筋肉が緩むことで逆流がおこります。
これは、加齢によるものの他、脂肪分の摂りすぎ等が食道の筋力を弛めています。また、油っぽいもの、甘いもの、酸っぱいものや刺激の強いもの、アルコールやたばこは胃酸の分泌を高めます。
以前は高齢者に多い病気とされていましたが、最近は年齢に関係なく増えています。

逆流性食道炎は、命に関わる病気ではありませんが、生活の質(QOL)を低下させます。
年齢に関係なく、日ごろから生活習慣に気を付けることが大切です。
 

逆流性食道炎の症状チェック

 □ 胸やけがする
 □ 酸っぱいものや苦いものがこみ上がってくる
 □ ゲップが良く出る
 □ 喉に違和感がある
 □ 喉がイガイガする
 □ 咳が出る
 □ お腹に膨満感がある
 

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逆流性食道炎の症状

・肥満に注意、食べ過ぎ、早食いをやめ腹八分目を心がける
・脂っこい食事、香辛料など刺激の強い食事は控える
・煙草は控え、アルコールは適量に
・食後はすぐ横にならない、寝るときは枕を10-20cm高めにするとよい
・姿勢に注意、前かがみの姿勢をさける
・お腹をしめつけない、ベルトやコルセット、ガードル等お腹を締め付ける物は身に着けない
・ストレスをためない生活を心がける

                       株式会社メディエイト 保健師 新井 望

 

ストレスチェック制度を導入後の企業対応について

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ストレスチェック制度が義務化され、多くの企業で実施されるようになりました。しかし実施するだけではなく、その先の対応をどのようにしていくのかが重要になります。そのためには企業による取り組みだけでなく、産業と連携を取りながら進めていくことが大切です。
 

「ストレスチェック制度」導入が8割越え

ストレスチェック制度は、平成27年12月1日に改正された労働安全衛生法によって義務付けがされています。厚生労働省の調査によると、8割を超える事業場で導入されていると分かっています。この制度をきっかけに労働者のメンタル不調をいち早く察知し、健康的な職場環境の構築に役立てることができるのです。
 
しかしこれに関して問題も発生しています。ストレスチェック制度ではストレスチェックによって高ストレス者と判断された場合、面接指導の対象となります。この面接を受けることで意見を聞き、対処していくことが可能になりますが、その後の面接を行っている割合は非常に小さいことが分かっています。平成29年の時点で面接指導を受けた労働者の割合は1%にも達していません。面接を受けるべき対象者が少ないということではなく、対象者と判断されたにも関わらず面接を希望しない労働者がほとんどだということです。今後この問題を解決しなければ、ストレスチェック制度を活かしきれないままであり、労働環境がいつまでも改善されません。
 

どうして面接指導が増えないのか?

ストレスチェックの結果は、本人の同意がある場合にのみ開示されます。そのため本人が希望しなければ企業がその結果を知ることはできません。さらに、面接に関しても本人が希望しなければ行うことはありません。チェックの結果を開示せず、面接もしなければ企業側は対処ができません。面接による指導ができれば対応できることもあるかもしれませんが、面接指導が増えないのはいったいなぜなのでしょうか。
 
多くの人はプライバシーに関わる自分のストレス状態を上司や企業の人に知られたくありません。現在のストレス状況を耐えてでも、このことを知られたくない人がいるため、結果の開示や面接指導をやらないケースが多くなっています。また面接指導を受けることによって仕事に支障をきたすと考えることなどからも、受ける人が少なくなっています。ストレスチェックを実施したにも関わらずこのような理由などから、面接指導が行えず、社内環境や労働規則の改善に活かしきれていない企業が多いようです。
 

ストレスチェック制度の実施

ストレスチェック制度を実施するにあたり、まずは対象者が誰なのか、そして高ストレス者の基準などを明確にし、その後の対応についても言及していきます。
 

対象者

ストレスチェックの対象者は、その企業に関係するすべての労働者です。あいまいな言い方になりましたが、それだけ対象となる範囲が広いということです。企業雇用されている正社員はもちろん、パートやアルバイト、派遣社員、契約社員などもこれに該当します。雇用形態や勤務時間には関係ありません。ほとんど出社していないとしても従業員であればすべてチェックの対象です。
 
逆に対象外となるのは使用者、つまり企業の代表や社長、役員などです。ストレスチェックを受ける範囲は非常に広いということを覚えておきましょう。
 

高ストレス者の基準とは?

ストレスチェックの結果、高ストレス者であると判断されることがあります。このときの一般的な判断基準は、「心身のストレス反応に関する項目の評価店合計が高い者」と「心身のストレス反応に関する項目の評価点合計が一定以上かつ、仕事のストレス要因および周囲のサポートに関する項目の評価点合計が著しく高い者」とされています。しかし厳密な判断基準は衛生委員会による調査審議を経て企業が定めることになります。
 
この過程では専門知識を持った産業医による指示が重要となり、こうして最終的に定まった基準を超えた者が高ストレス者と判断されます。
 

高ストレス者への対応について

上で述べたように、高ストレス者であってもその結果の開示・未開示は選択できます。また面接希望の有無もこれと別に選択できるため、起こりうるパターンとしては四つあります。ひとつは結果の開示に同意し、面接も希望するというパターンです。企業としても最も対応しやすいと思います。しかしその場合でも個人情報の扱いには十分注意し、慎重に産業医と日程の調整を行っていきましょう。
 
次は、開示に同意はしないが面接は希望するというパターンです。実は面接を希望していれば結果の開示に同意したとみなすことができます。しかし内部の人間に結果を知られたくないという意思を表しているかもしれません。そのため内部の人ではなく、ストレスチェックを実施する担当者から連絡をさせるなどの配慮をすると良いでしょう。
 
結果の開示に同意しているものの面接を希望しないパターンでは、本人とも話し合い、同意の意思を改めて確認した後、面接指導を促すことが重要です。
 
開示も面接の希望もしないパターンでは、経過を見守るしか対応ができません。しかし本人のためにも面接指導を受けることを勧めてみましょう。
 

産業医との面談でメンタルヘルスを未然防止

ストレスチェックをしても本人の意思がなければ面接指導ができず、問題解決に向けて対応が進められていない企業も多くあります。そこで少しでも状況を変えるためには産業医との連携も重要になってきます。
 
もともと一定規模以上の企業では産業医が設置されていますが、労働者の多くはこのことを知りません。産業医の存在を周知させ、上司などではなく専門知識を持った第三者との面談を促せば、メンタル不調を未然に防止できるかもしれません。
 
産業医はただ相談に乗るだけではなく、定期的に社内環境の調査も行い他の医師に比べて内部の状況を把握しています。職場環境の改善や、各労働者の環境改善に繋がりやすくなります。ストレス状態に問題が合った場合、企業側ができる対応として働き方を変えるということも考えてみましょう。常駐して働くのが厳しい状態であれば、スポット勤務などにも柔軟に対応することで労働者に深刻な問題が起こるのを防げるかもしれません。
 
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人事必見!産業医と見直す休職者・復職者への対応

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休職者が出た場合、人事担当者は産業と連携して対応していく必要があります。産業医は医師として専門的な判断を下し、人事は休職者に対して休職中の過ごし方や復帰についてフォローをしていくことになります。そこで休職者や復職者に対して、対応すべきポイントについてまとめていきます。あらかじめポイントを押さえておき体制を整えておくと、休職者が出てしまってもスムーズな対応ができるでしょう。
 

労働安全衛生法の「ストレスチェック制度」とは?

労働安全衛生法では、企業が社内環境を適切に整備することが必要と定められており、健康的・衛生的な労働環境作りを目指しています。ストレスチェック制度も労働安全衛生法にもとづいた施策です。
 
この制度では労働者のストレス状況を検査し、労働者自身が状況を把握すること、そして職場環境の改善のために役立ちます。ストレス状態を数値で表現するため管理がしやすく、また状態の把握がしやすいのも特徴です。質問票を使い、その回答によって心身の状態が評価されます。現在のストレス状況について知るだけでなく、今後のメンタル不調を防止する目的もあります。上手く活用すれば、できるだけ休職者が出てしまわないように事前の取り組みができるでしょう。
 

メンタル不調の休職

強いストレスがかかってしまうと、メンタルに不調をきたします。仕事もできなくなってしまうかもしれません。そのとき、企業は休職という形で対処をすることも考えられますが、その場合の確認事項や注意したいポイントがいくつかあります。
 

休職前への確認ポイント

休職を始める前の段階で、まずは休職者とのコミュニケーションを取り、休職理由の確認、休職のための手続きや休職期間などについて話し合いましょう。休職中の保険料や給与、手当など細かく知らせておくことで休職者も安心できます。
 
できるだけ休職中の不安や復職に向けての不安が解消されるようにすることが大切です。またこうすることが、休職者が会社に戻りやすい環境作りにもなります。
 

休職中の過ごし方

休職は不調を治療するための措置であり、休職中には体を休めるように理解してもらいましょう。
 
しかしメンタルの不調を治すためには気分の切り替えることも必要です。休職中に旅行や娯楽施設を利用することも考えられます。これらは禁止事項ではありませんが、このことが同じ社内の仲間に知られると良い気にはならない恐れがあります。企業としては、ほかの労働者のメンタルもないがしろにすることはできません。休職者には周囲の人たちへの配慮にも注意してもらうよう伝えましょう。
 

休職者へのフォロー

休職による回復の先には復職があります。ここでスムーズに復帰ができないと、再び休職してしまう可能性もあります。そのため人事担当者は社内環境を把握している産業医と共に復帰をサポートします。
 
産業医に復職が可能な状態かどうか判断してもらいますが、人事もあらかじめ復職までのフローを明確にしておく必要があります。復職のタイミングで休職者とトラブルにならないためにも、できるだけ復職の判断基準などを明確に知らせておくことが大切です。
 

職場復帰の準備

復帰のためのリハビリ

休職中でも、復職に向けてできることがあります。リハビリのように少しずつ仕事をしてもらうことも有効的です。無理なく徐々に参加してもらうことで、再休職にならないようにしなくてはなりません。
 
しかしそのためには、こうした復帰までの業務をフロー化しておく必要があります。業務内容は企業や休職者によっても異なります。具体的な仕事内容を定めるのではなく、働き方などを設定することになるでしょう。
 
例えば、在宅でできるリモートワークなどは良い例です。リモートワークは実際に、休職者に向けた業務のやり方として導入している企業もあります。リモートワークをサポートできるような業務ツールも多く存在し、柔軟に技術を取り入れていけばリハビリにも多様なやり方を見出すことができるでしょう。
 

企業と本人のマッチング業務

復帰ができるようにするには、休職者の心の負担を減らすことが重要です。そのためには休職者と意見を交わして互いの求めるものを合致させることがベストです。企業が本人に対してどのような期待をしているのか、逆に本人は企業に対して何を希望しているのか、これを把握することでより良い方向に進められるでしょう。
 
仕事の種類や仕事量、また職場の人間関係の問題もあります。以前働いていた部署の仲間と仕事をしたい、と考えている場合もあります。人事もできるだけ希望に応える形で落としどころを見つけなくてはなりません。すべて休職者の希望通りにできなくても、コミュニケーションが快適に取れる、信頼関係が築けている人と仕事に就かせるなど、付加価値を足してあげるのも良いでしょう。
 

就業規則の見直し・改善

休職者が出てしまった場合、企業としては見直しを考える必要があるかもしれません。休職に関して就業規則を整備することも考えましょう。そのことによって再発を防止するだけでなく、今後休職者が出た場合の療養や復帰準備、会社復帰へのプロセスのためにもなります。
 
就業規則で見るべきポイントは休職期間と勤続年数、休職期間の賃金など、また休職制度の対象範囲や復職時の手続きなどもあります。現在の就業規則を改めて確認し、休職に関する規則が充実しているか見直してみましょう。
 

休職や復職の判定は産業医へ

休職や復職が決まった場合には社内で決められた規則に沿って進めていくことになりますが、その前提となる休職・復職の判定には医師の判断が必要です。労働安全衛生法によって、企業は労働者の健康について医師の意見を聞く必要があると定められています。
 
主治医の診断後、産業医による面談を実施しましょう。産業医であれば、企業と連携し普段から労働者の健康管理を行っています。また定期的な社内環境の巡視もしており、状況が良く分かっています。産業医に判定してもらうことで企業も適切な措置が取りやすく、休職者の復帰に向けた取り組みにも連携していくことができるでしょう。
 
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人事としては、労働者の健康はもちろん、企業の管理体制も考慮する必要があります。株式会社MEDIATEでは、産業医紹介を通して様々なフォローを行います。休職や復職に関する問題も、是非ご相談ください。

職場巡視していますか

産業医制度の運用に関して、2017年6月1日より一部改正がありました。
皆さんの職場では、産業医や衛生管理者による職場巡視を行っていますでしょうか?

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産業医・衛生管理者による職場巡視は義務です

労働安全衛生法令では、産業医・衛生管理者による作業場等の巡視を行うことが義務づけられています。
(労働安全衛生規則第11条、15条)

産業医巡視については、「産業医は少なくとも毎月一回作業場等を巡視し、労働者の健康障害防止のため
に必要な措置を講ずる。」とされていすが、2017年6月の一部改正により、頻度の見直しがありました。

改正内容:「少なくとも毎月1回行うとされている産業医による作業場等の巡視については、事業者から
毎月1回以上産業医に所定の情報(以下の1、2)が提供されている場合
であって、事業者の同意がある
場合
には、産業医による作業場等の巡視の頻度を、少なくとも2月に1回とすることを可能とする。」

1. 衛生管理者が少なくとも毎週1回行う作業場等の巡視の結果

2. 1に掲げるもののほか、衛生委員会等の調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの

衛生管理者については、今まで通り、少なくとも毎週1回の作業場巡視が必要です。
 

職場巡視の活かし方

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職場巡視が効果的なものとなるよう、事前準備や事後の情報共有、改善計画は大切です。
ただ単に巡視するだけとならない様に、計画的に行いましょう。

実施前には巡視場所のピックアップ、各職場で確認すべきポイントをまとめておく、職場の状況を理解
している従業員に同行を求める等の準備が必要です。

また、実際に産業医や衛生管理者が各職場に入る際には、腕章や声掛け等で職場巡視をしていることを
従業員に伝え、困っていることは無いか等、現場の声を確認する事も効果的です。

巡視後や衛生委員会の場では巡視結果を共有し、対策が必要な場合は改善計画につなげましょう。
巡視は悪い点だけを指摘するのではなく、良い点についても取り上げて横展開していくなど前向きな評価
も大切です。

 

次号では、オフィス職場における職場巡視のポイントについてお伝えしたいと思います。
職場巡視等で、何かお困りの事がありましたら、是非ご相談ください。

株式会社メディエイト 保健師 新井 望 

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2018年度のインフルエンザワクチンについて

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9月に入り、インフルエンザの発生が既に報告されています。

本年も2018-2019年の冬季のインフルエンザの流行シーズンに備え、多くの医療機関でインフルエンザワクチンの接種を10月初旬から開始する予定になっております。

昨年も10月初旬頃からインフルエンザワクチンの接種を開始する旨をどの医療機関でも掲示は始めていたのですが、昨年はワクチン製造メーカーの問題によりワクチン製造数が非常に少なく、さらにやや10-11月初旬に気温の高い日が多かったことから、10月にインフルエンザワクチン接種を接種された方の数は少なく、11月も過ぎ、12月半ばから1月になって、実際にインフルエンザが大流行し、罹患された方の数がかなり増えてからワクチン接種を希望された方が多く見られました。

2017-2018年度のインフルエンザ流行シーズン全体を通した統計によりますと、一昨年の2016-2017年度よりも最終的に2倍以上のインフルエンザ罹患者数となり、インフルエンザをきっかけに発生した脳炎や髄膜炎、腎不全、心不全などにより症状が重篤化して亡くなってしまった方や、入院を必要とした方の数も例年を超える数になってしまいました。

また2017-2018年度は、通常であればインフルエンザA型が12-1月に流行し、そのあと1-2月にかけてインフルエンザB型が流行するという今迄のインフルエンザ流行の典型例な経過をとらず、インフルエンザA型とB型が同時に年明けの1-2月に大流行し、最終的には前年度の2倍以上の数の方がインフルエンザに罹患してしまいました。

これは、日本だけの話ではなく、アメリカ・オーストラリア・フランスでも、昨シーズンのインフルエンザ患者数は過去5~9年では最多であり、世界的にインフルエンザ患者数が増加していることを示しています。

近年、日本を訪れる海外からの旅行者も年々増加傾向であり、加えて日本から海外へ出張や旅行に行かれる方も増加していますので、日本ではまだ流行の兆しが見えない時期であっても早めのワクチン接種が重要となります。
 

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「インフルエンザワクチンを接種すると絶対にインフルエンザには罹患しないのですか?」というご質問をよくお受け致しますが、実際にはインフルエンザワクチンはを接種しても100%インフルエンザの感染を予防することは出来ません。

しかしインフルエンザの罹患や発症する確率を下げることが可能です。

また、インフルエンザワクチンは接種してすぐに感染を予防できる訳ではなく、ワクチン接種後約2週間から4週間かけて抗体価がピークを迎える為、11月-2月のインフルエンザ流行シーズンにしっかりとした感染予防を期待する為には早めの接種をお勧めしています。

                             株式会社メディエイト 産業医 望月香織

 

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産業医紹介ナビが提携している、もちづき内科クリニックではインフルエンザワクチン接種が可能です。
予約が必要となりますので。ご希望される方は、クリニックまでお問い合わせください。

もちづき内科クリニック
https://www.mochizuki-medical.com

東京都品川区戸越4-9-12 (東急大井町線 戸越公園 徒歩3分)

電話:03-6426-2711

【50人未満の事業場向け】ストレスチェック制度の導入メリット

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事業場が50人未満であれば、ストレスチェックの義務がありません。しかし必要に応じて実施を検討した方が良いケースもあります。また、義務がなかったとしてもこの制度を導入することによるメリットも存在します。
 
条件を満たす必要があるものもありますが、導入を検討して産業医とともに社内環境の改善にお役立てください。ここでは、どのようなメリットがあるのか、具体的に紹介していきます。
 

50人以上の事業場がストレスチェックの義務

労働安全衛生法では職場の安全、そして衛生状態の整備などが企業に義務付けられています。労働者が、心身ともに健康なまま仕事ができる環境作りが目的とされています。そのための具体的施策のひとつが、ストレスチェック制度です。
 
質問票に対する回答からストレス状態を評価し、数値化することで労働者が危ない状態にないかどうかチェックすることができます。ストレスチェックは、ひとつの事業場に対して50人以上がいる場合に義務としており、実施しなくてはなりません。そのため、逆に言えば50人未満の事業場であれば実施しなくても問題ありません。
 
ここで覚えておきたいのは、50人という人数は法人単位の話ではないという点です。あくまでひとつの事業場に対する人数を参照します。例えば本社と支店に分かれており、企業全体としては100人の労働者がいたとしても、本社に60人、支店に40人が働いていれば、ストレスチェックの義務があるのは本社だけとなります。同じ企業で働いていても、事業場によって実施の有無が違い、また法律上問題はないということです。
 

50人未満の事業場でもストレスチェックをおすすめする理由

50人以上の事業場でストレスチェックが義務付けられているだけで、50人未満だからといってその必要性がないわけではありません。例えば以下のような企業では導入を検討してみると良いでしょう。
 

メンタルヘルス不調者が発生しやすい会社

この場合はストレスチェックの必要性が高いと言えます。改善措置を見出すためにも導入を検討してみましょう。
 

長時間労働が常態。または、業務負債が高い会社

このような場合にもメンタル不調者が出てくる可能性が高いです。長時間労働が続くのもストレスの溜まりやすさに関係してきます。ストレスチェックによって労働者の状況を把握していく必要性がありそうです。
 

産業医や衛生管理者など、産業保健スタッフを確保できる会社

50人未満であれば義務ではないものの、労働者のストレス状況の変化に気づくにはチェックを行うことが有効的です。このとき、産業保健スタッフがいると実施がしやすくなります。
 
しかし産業保健スタッフは、ストレスチェック制度における「実施者」とは呼びません。ストレスチェックの実施者、つまり結果の評価をする人は企業ではありません。医師や保健師、または外部機関に委託します。しかし実施にかかる事務作業は「実施事務従事者」と呼ばれ、ここを産業保健スタッフが担当することになるのが通常です。これに関しても外部に委託することは可能ですが、すでにスタッフがいる場合、または確保できるのであればストレスチェックへのハードルが低くなります。社内環境の改善のためにも実施の検討価値が高いと言えます。
 

複数の事業場を持つ会社で、義務化の対象が本社などにあり、対象外規模の支店や営業所など

これは上で挙げた例のような状態です。同じ企業内でも事業場によって実施の有無が変わるケースです。本社で実施しているにも関わらず支店や営業所で実施されていなければ不公平に感じることも考えられ、労働者が不満を募らせる原因になってしまうかもしれません。
 

導入によるメリット

負担無く実施できる

50人未満の事業場であれば、義務化されているときにはないメリットがあります。そのひとつがチェックによる報告の義務がないということです。
 
義務化されている場合には細かく記録を残していかなければなりません。報告を怠ると罰則を受けることにもなります。その点、50人未満の事業場では努力義務にとどまり、実施したとしても報告の義務はありません。報告書作成の手間もなく、純粋に社内環境改善のために負担無く実施をすることができます。
 

助成金の支援

もうひとつ、ストレスチェックを実施する大きなメリットがあります。義務のない事業場でも助成金を受け取ることができるのです。
 
ただしいくつか要件があります。まずは労働保険の適用事業場であること、ストレスチェックの実施者が決まっていること、産業医を選任しストレスチェックにかかわる活動を⾏わせること、そしてストレスチェックの実施や⾯接指導を行う者が外部の者であることなどが挙げられます。
 
また事業場が常時50人未満であることも再確認しましょう。派遣社員なども含んで計算します。さらに申請の期間にも注意が必要です。平成29年度に変更があり、4月15日から6月30日までがその申請期間となりました。この期間は将来的に変更される可能性もあり、正確な期間を知りたい場合はその都度調べてみると良いでしょう。
 
助成対象は「ストレスチェックの実施」と「ストレスチェックに係る医師による活動」があります。ストレスチェックの実施によって一従業員につき500円が助成されます。医師による活動については上限を三回とし、一回の実施で21,500円が助成されます。
 
受け取るまでの流れとしては、ストレスチェック実施後、労働者から申し出があれば面接指導などを行うことになります。そしてストレスチェック助成金支給申請書や産業医との契約書など、いくつかの必要書類を準備し申請を行います。その後支給決定通知が届き、助成金が支払われます。
 

産業医の上手な利用で働きやすい環境へ

助成金を受けるためにも産業医を選任する必要がありますが、産業医がいることの恩恵はもっと大きなものです。ほとんどの場合、特に労働者は産業医が選任されていることを知りません。しかし上手に連携していくことで社内環境の改善のためになります。労働者が働きやすい環境を作り、一人でもメンタル不調になってしまう人を減らさなければなりません。ストレスチェックの実施では心身の状況を察知することができます。しかし労働者一人一人と向き合うためには専門家である産業医の存在も不可欠だと言えます。
 
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風疹

風疹とは

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風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。感染経路は、人の咳や鼻水などを介する
「飛沫感染」です。

症状としては、初期症状として倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れなどが現れます。初期症状が現れて
3-7日前後で、発疹がみられます。発疹は、顔から全身へと広がります。

風疹に対する免疫が不十分な妊娠20週までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、母親から胎児へ胎盤を
介して感染し、目や耳、心臓等に障害をもつ「先天性風疹症候群」を起こす事があります。

2012年~2013年には、全国的に多くの風疹患者発生がありました。

今年度の状況としては、国立感染症研究所によると7月下旬から患者が急増し、8月までに昨年の年間患者
数をすでに大幅に上回っています。国立感染症研究所は8/21に緊急情報を出し注意を呼びかけています。
現在は東京都、千葉県、福岡県などの首都圏を中心に感染が広がっていますので注意が必要です。

ワクチンで予防しよう

風疹の予防法はワクチン接種です。妊娠を希望する女性だけでなく、妊婦の家族や職場の人はワクチン接種
で予防することが大切です。
(妊娠中のワクチン接種不可、妊娠前については、ワクチン接種後2か月は避妊が必要)

風疹ワクチン(主に接種されているのは麻しん風疹混合ワクチン)を接種する事によって95%以上の人が
風疹ワクチンに対する免疫を獲得する事ができると言われています。また、2回接種する事で、1回接種
では免疫がつかなかった多くの人に免疫をつけることができます。

風疹の予防接種は、年代によって様々でしたので、年代に合わせた予防策の検討が必要です。
 

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 【風疹ワクチン接種状況】

      年 代               接 種 状 況

S37年4/1以前生まれ

定期接種なしも、大半の人が自然に風疹に感染することで免疫がある
人が多い。

S37年4/2~S54年4/1生まれ

中学生の時、女性のみを対象とした集団予防接種が行われていた。
男性は定期接種の機会がなく免疫がない人が多い。

S54年4/2~S62年10/1生まれ

中学生の時、男女とも予防接種の対象となっていたが、医療機関での
個別接種であったため、接種率が低く、風疹の免疫がない人が多い世代。

S62年10/2~H2年4/1生まれ

男女とも、幼児期に予防接種の対象となり接種率は比較的高い。
接種を受けていない人は免疫がない人が多い。


風疹の抗体検査(風疹に対する免疫があるかどうかの検査)をしてから、必要に応じてワクチン接種をする
事ができます。

すでに免疫を持っていたとしても、予防接種を受けることによって、特別な副反応が起こるなど問題はない
ため、抗体検査なく、予防接種を受けても問題ないとされています。

抗体検査や予防接種についての実施可否や費用については、お近くの医療機関や保健所に問い合わせてみて
ください。

                              株式会社メディエイト 保健師 新井 望

 

ハラスメント防止コンサルタントの視点から

昨今では、ハラスメントについてメディアでも頻繁に取り上げられ、ハラスメントについての関心は高まりをみせています。ハラスメント対策に力を入れる企業も増えています。企業において働きやすい職場環境を整えるためにもハラスメント対策は急務となっています。

今回は、ハラスメント防止コンサルタントでもあり、メンタルプラス株式会社 代表取締役和田 隆氏に
「パワーハラスメント、セクシャルハラスメント」の動向、判断基準、およびその対策の重要性について伺いました。

 

ハラスメント防止コンサルタントの視点①

セクハラ対策の重要性について

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今、世間を騒がせている問題の一つに、セクハラ問題があります。

現在、「〇〇ハラ」呼ばれるハラスメントは30種類を超えていますが、その中でも歴史が長く、誰もが知っているハラスメントといえば、セクシュアルハラスメントといえるでしょう。

その言葉が1989年の新語部門で流行語大賞に選ばれて30年が経とうとしています。
1997年には男女雇用機会均等法にセクハラに関する初めての規定として「配慮義務」が盛り込まれ、10年後の2007年には「措置義務」に修正され、組織のセクハラ対策が強化されました。
そして、現在までに「女性から男性」「同性同士」「LGBT」へと対象を拡大しながら規制も強めてきましたが、現在も被害者が後を絶たない状況が続いています。


ハラスメントのコンサルティングをすると、「パワハラはあるがセクハラは大丈夫です」と自信をもって答える経営者や人事責任者が多く、企業研修に出講すると、「社内にセクハラはないと思う」と答える受講者は多いが、はたして、被害者はいないと決めつけていいのでしょうか。

2016年の独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した「妊娠等を理由とする不利益取り扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査」によると、「25歳~44歳の女性労働者」の4人に1人以上(28.7%)がセクハラ被害を受けたことがあり、セクハラ被害者の対応として、「がまんした、特に何もしなかった」が63.4%と最も多い。

こういったアンケート結果から、セクハラ被害の多さ、被害の見えにくさといった問題が見えてきます。「今の職場にセクハラはないと」という労働者の感覚と「現実に被害者が多い」という実態に乖離があるのです。
 

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では、なぜ、誰もが悪いとわかっているはずのセクハラはなくならないのでしょうか?
私は、長年、ハラスメント防止を目的に全国で講演や被害者、行為者面談等を実施してきた経験から、個人と組織のセクハラに対する認識の甘さに原因があると考えています。

個人の認識はどうなっているか?セクハラ研修で実施するグループ討議では、「コミュニケーションのズレ」「相性の問題」「性的なことでも笑って受け流すぐらいの余裕がほしい」「セクハラ対策も行き過ぎると女性に話しかけることすらできない」といった意見は出るものの、残念ながら「セクハラは重大な人権侵害です」という声は聞こえてきません。これではセクハラはなくなりません。

一方、組織の認識はどうでしょうか?事業主の講ずべき措置として、厚生労働省のセクハラ指針に沿った対策が基本となります。


これまで人事担当者向けのセミナーを多数実施してきましたが、セクハラ指針の10項目中、全て実施している企業は一握りといったところです。
セクハラ対策の取組みの甘さから、問題の重要性が認識できていない様子が伺えます。職場のセクハラ対策の再点検が急務といえるでしょう。

[セクハラ指針]
① セクハラの内容、方針等の明確化と労働者に周知・啓発すること
② 行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発すること
③ 相談窓口の設置をすること
④ 相談に対する適切な対応をすること
⑤ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること
⑥ 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと
⑦ 事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと
⑧ 事実の有無にかかわらず再発防止に向けた措置を講ずること
⑨ 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること
⑩ 相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること


これからの取組みとして、セクハラス防止の機運が高まっている今こそ、実効性のあるセクハラ対策を推進すべきです。とりわけ、次の3点を重点施策にすることをご提案します。

1.トップのセクハラを許さないメッセージを全社に発信する
2.研修を実施する(全従業員・ハラスメント担当者・行為者再発防止)
3.相談しやすい窓口づくり(外部相談窓口設置含む)
 

2018年6月12日、政府の緊急対策として、「中央省庁の課長級以上の幹部らにセクハラに関する研修の受講を義務付け、今後は、民間の事業主がセクハラ防止を徹底するよう厚生労働省が対策を検討する方針」との発表がありました。

セクハラに対する認識を変えるには、効率を重視したeラーニングではなく、効果を重視した階層別研修会の開催をお勧めします。その場合、「セクハラを正しく理解し、セクハラは絶対にしない意識の形成」を到達目標にし、経験豊富な講師に任せた方がいいでしょう。
ハラスメント担当者対象の研修では、ハラスメント対応の原則を理解し、相談スキルを上げることが到達目標になりますので、ロールプレイを含めた体験型カリキュラムが基本となります。

セクハラが発生した場合、セクハラ指針に準じて、行為者への再発防止対策が求められます。セクハラは処分とセットになることが多いですが、罰することが目的ではなく、同じ行動を繰り返さないため、行為者に教育の機会を与えることが大切です。
 

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世界に拡がったセクハラ防止キャンペーンが「♯Me Too(私も同じ)」から「Time’s Up(もう終わりにしよう)」に展開したように、行政の動きを待つのではなく、企業が主体となり、従業員に対して、「セクハラ問題を終わりにする」ことを宣言し、健康経営、女性活躍推進、ダイバーシティ、コンプライアンス対策等の重点施策に「セクハラ防止」を含めることが肝要です。
組織として、セクハラを徹底的に禁圧し、個人がセクハラを「重大な性的人権侵害」と認識するレベルに達したとき、セクハラ問題を終わりにすることができるでしょう。

 

ハラスメント防止コンサルタントの視点② 

パワハラの動向と判断基準

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パワーハラスメントは、パワー(優位性)+ハラスメント(嫌がらせ)という言葉の組み合わせでつくられた造語で法律的な定義はありません。2000年以降に言葉が誕生し、パワハラより歴史のあるセクハラとセットで「職場の2大ハラスメント」と呼ばれるようになりました。

過去には、社員をリストラする際、解雇の法的規制に抵触しないよう様々な嫌がらせをして、自己退職に追い込む方法でパワハラという言葉が使われてきましたが、現在では、ミスの注意、無視する、私的なことに立ち入る等といったことでも表現されるようになり、多様な問題の集合体に変わっています。


パワハラという言葉が社会的な注目を集めるようになったのは、2007年、上司のいじめ・嫌がらせによって、部下が自殺した事案において、パワハラによる自殺として初めて労災認定する判決(静岡労基署長・日研化学事件)が出てからです。

その後、2009年、労災認定基準に「いじめ・嫌がらせ」が新規項目として追加され、2011年、厚生労働省にワーキンググループが立ち上がり、パワハラの定義が示されました。
そして、2012年、民事上の個別労働紛争相談件数のトップがパワハラ(51,670件)となり、同年、厚生労働省のパワハラ全国調査が実施され、パワハラ被害の実態が明らかになりました。


パワハラとセクハラには、共通点と違いがありますが、大きな違いの一つとして、セクハラには個別法がありますが、パワハラには法律がありません。

2017年には、政府が罰則を含めた法規制の検討に着手しましたが、どのような行為がパワハラになるかの線引きが難しく、いまだ実現に至っていません。パワハラは多くの組織で問題になっており、自殺者も出ているのに法律がない。
パワハラ問題が増加の一途をたどっているのは、こうした行政や組織の対応の遅れ等が原因と考えられます。
 

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それでは、パワハラの動向から、定義と判断基準の説明をします。
厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループ報告」でパワハラにいて次のようにまとめられています。

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、
職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、
業務の適正な範囲を超えて、
精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

上記の定義から、
① 優位性(行為者)
② 業務の範囲外の言動(行為者)
③ ダメージ(被害者・職場環境)
の3つが揃うとパワハラになる可能性があるということでしょう。


まず、「①優位性とは」代表的なのは上司の職務権限です。以前は、上司が部下に対して、いじめ・嫌がらせを行うことをパワハラと表現しましたが、現在は、専門的能力、集団の力、経験等も優位性として認識されるようになったことから、同僚同士、部下から上司も対象となり、行為の対象が多様化し、パワハラ問題を一層複雑にさせています。


次に「②業務の範囲外の言動とは」
この点については、厚生労働省はパワハラの行為類型を紹介しています。

<職場のパワハラ行為6類型(厚生労働省)>

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業務の適正な範囲を超える言動とは、上記以外の行為も考えられますが、適正な範囲内と範囲外のラインを明確に示せないことがパワハラの難しさといえます。
セクハラの性的言動は、業務との関連性がないため、すべて範囲外といえますが、パワハラは、業務と関連することが多いため、判断も難しくなります。

ポイントとしては、「人格否定」「雇用不安を与える」「長時間の叱責」「業務外の指示、命令」等は合理性も必要性もないため、範囲外と考えていいでしょう。

また、最初は、業務の適正な範囲だったが、範囲外に展開するといった事例も多い。例えば、上司が部下のミスを注意したが、部下が反省している様子が全くないため、つい感情的になって、長時間の叱責、人格否定、雇用不安を与える言動をしてしまったという内容です。


3つ目の「ダメージとは」これは被害者が精神的・身体的苦痛を与えられた、もしくは、職場環境を悪化させた等という行為に対する結果です。行為そのものだけでなく、誰に対して行ったかもポイントになります。
例えば、仕事や職場の人間関係に慣れていない新入社員、うつ病が回復して復職した人等は、ダメージを受けやすいので注意が必要です。

以上、パワハラの定義と判断基準の解釈として参考にしてください。
 

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最後に、組織に上下関係はありますが、お互いを対等なパートナーとして認め合うことでパワハラの出番はなくなります。また、個人や組織にストレスが関与するとパワハラが発生しやくなります。
自己や組織に内在する偏り、弱い部分がストレスという刺激を受けパワハラとして外に現れるのです。
個人も組織も、内なる課題を可視化し、改善するが大切です。
そして、何より、皆さまの日々のセルフケアを大切にしてほしいと思います。


メンタルプラス株式会社 代表取締役  和田 隆

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韓国における中東呼吸器症候群(MERS)の輸入症例

韓国における中東呼吸器症候群(MERS)の輸入症例

メディアリリース (WHO西太平洋事務局) 2018年9月9日

韓国は、中東呼吸器症候群(MERS)の輸入例を正式に報告しました。これは2015年のアウトブレイクが終わって以来、韓国国内で初めて見られた症例です。

 この症例は、8月16日から9月6日まで仕事のためクウェートに渡航した61歳の男性です。彼は韓国に戻った直後に発熱、下痢、呼吸器症状で入院し、現在は隔離されて治療を受けています。

 韓国の国際保健規則に関する国の連絡窓口(National International Health Regulations Focal Point)は、9月8日に世界保健機関(WHO)に報告しました。同じ日、MERSであることが検査室で確認されました。

 この症例は珍しいものですが、MERSが中東以外の地域で出現することもあります。医療施設における適切な感染予防と感染管理措置、接触者の追跡、公衆通信などの迅速な対応策の実施によって、感染拡大のリスクを最小限に抑えることができます。WHOは、必要な対応について韓国疾病管理予防センター(KCDC)と協議しており、必要に応じて、さらなる支援を行う用意があります。

 MERSは、2012年にサウジアラビアで最初に確認された新規コロナウイルス(MERS-CoV)に起因しています。その後、WHOはこの病気のモニタリングを続けており、27カ国から2200件以上の検査室確定症例が確認されました。典型的なMERS症状には、発熱、咳、息切れなどがあります。肺炎は一般的ですが、常に存在するとは限りません。下痢を含む胃腸症状も報告されています。約3分の1の症例では、この病気は致命的です。

 この疾病とヒトコブラクダとの間には関連性があるように見えますが、これまでの大部分のヒトの症例は医療施設で発生しています。このウイルスは、患者と看護している人の間など緊密な接触がない限り、ヒトからヒトへと容易には感染しないようです。したがって、感染予防および管理措置の実施は、医療施設におけるMERS-CoVの予防にとって重要です。

 WHOは、MERS-CoVに関連する渡航または貿易の制限、または入国審査entry screeningの適用を推奨しません。
 

出典

Case of imported MERS reported in Republic of Korea
Media release, 9 September 2018, WHO WPRO
http://www.wpro.who.int/mediacentre/releases/2018/20180909/en/#

 

厚生労働省検疫所FORTH HPより引用
https://www.forth.go.jp/topics/20180910.html

 

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労働安全衛生規則45条の2には、労働者を海外に6カ月以上派遣する者については派遣前後の健康診断の実施が事業主に義務づけられています。 6月以上海外勤務した労働者を帰国させ、国内の業務に就かせるときも、健康診断を行わなければなりません。

赴任前は、時間も限られ準備等に忙しくなりますので、早めに企業の産業医に海外派遣に関する健康管理についての意見を確認したり、健康診断による健康チェッ クを行いましょう。

海外に従業員を派遣している企業は、赴任前後においての健康に関する教育、情報提供を行う義務があります。

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