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2014年10月

デング熱が70年ぶりに国内感染 《Vol.38》

デング熱とは?

デング熱は、デングウイルスに感染した蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)に刺されることによって生じるウイルス感染症です。

症状として、蚊に刺されてから3日〜14日の潜伏期間の後、高熱・頭痛・眼窩痛・関節痛・筋肉痛・発疹などがあらわれます。その後、体内からウイルスが消失すると症状も消失し、予後は比較的良好な感染症です。しかし、希に患者の一部に出血症状を発症することがあります。

デング熱及びデング出血熱に対する特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。しかし、人から人に直接感染はせず、また感染しても発症しないことも多くみられます。

予防と対策

現段階ではデング熱に有効な予防接種はありません。デングウイルスを媒介する蚊が生息していると疑われる地域に赴く際は、長袖・長ズボンの着用や虫除けを利用するなど、蚊に刺されない工夫をしましょう。

また蚊の繁殖を防ぐため、家庭や社内に放置されがちな水(雨水タンク・鉢植えの皿の水など)を処分したり、フタをする等の対策も重要です。

社内で感染者が出た場合の対応は?

デング熱は、厚生労働省が定めた「感染症法」第4類に分類され、感染が確認された際ただちに保健所や厚生労働省に届け出なくてはなりません。しかし、届け出は患者を診断した医師が出しますので、企業側からの届け出は必要ありません。また社内で感染者が出た場合は、他のウイルス感染症の対応とほぼ同じで良いと思われます。企業側はその疾患の種類に関わらず、感染症に対するマニュアルを産業医と相談して作成しておきましょう。

Doctor's Comment ~ ドクターズ コメント ~

デング熱は人から人への直接感染はなく、現時点では蚊を仲介にした感染経路のみといわれています。もし社内で感染者が出た場合、企業は感染者に対して適切な医療機関の受診を促し、診断がついたら自宅療養または医療機関で待機させ、主治医から寛解と診断されるまで休ませる等の対応が必要となってきます。

また、万が一感染者を刺した蚊が社内にいると、その蚊がまた別の就業者を刺すことでウイルスが拡散していきます。企業内の虫除け対策の敢行や、蚊が寄り付きそうな水場の管理、手洗い・うがいの推進などの基本的な衛生管理の見直しや、社員が外出する際(出勤・昼休み・外出・退勤等)の防虫対策を推進していくことも大切です。

しかし特に大事なのは、デング熱感染者又は感染の疑いのある就業者が出た場合に、他の就業者が過度なパニックに陥らないようにすることです。企業は産業医と連携し、適切な医療情報を適宜提供していくことが重要です。

株式会社メディエイト産業医 望月香織(Kaori Mochizuki M.D)